「起業やフリーランスとして開業の準備をしている」
「電話が必要だと思うが、固定電話で良いのか悩んでいる」
「自分に最適な電話環境を知りたい」
起業やフリーランスにおいて、電話環境は必須です。
しかし、メールやコミュニケーションツールの進化により、以前より電話で仕事のやり取りをする割合が減ってきている、という方も多いのではないでしょうか?
また、IP電話やクラウドPBXなど、色々なサービスにより以前より選択肢が増えていることもあります。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
個人事業主にとって電話環境は必要不可欠
電話環境の重要性
電話環境はビジネスにおいて必要不可欠な要素の一つです。
WebフォームやチャットやSNSなど、コミュニケーション方法の多様化のことをオムニチャンネルと言いますが、未だに電話による顧客との接点の機会は多い状態です。
ある統計では、サポートのチャネルの4割程度は電話による対応が占めており、特に日本人は対面または電話での対応を好む傾向があるとも言われています。
このように、電話環境は顧客とのコミュニケーションを取るための重要なチャネルであり、ひいてはビジネスの成否に大きな影響を与える要素であると言えます。
電話環境の種類
ひとくちに電話環境と言っても、現代では様々な選択肢があります。
- 固定電話:
- 従来からある形式。電話回線を敷設し、電話機で通話する
- 個人事業主などの場合、既に固定電話回線を敷設している場合もあるかと思いますが、公私の区別がつきにくくなるため、事業用の電話番号も開設しておきましょう
- スマートフォン:
- 電話機能のほか、メールやチャットなどのコミュニケーションが可能
- 従業員がいない1人会社や個人事業主の場合、固定電話の代替でスマートフォンのみの利用も可能
- IP電話:
- インターネット回線を使った通話サービス
- 通話料金が安いなどの特徴あり
- クラウドPBX:
- クラウドを利用したPBX(電話交換機)システム
- 拡張性が高く、事業規模が拡大した際にも拡張が容易
固定費の削減は重要
起業したてのスタートアップ企業や個人事業主、フリーランスにとって固定費の削減は重要です。
売上が思うように上がらなくても、固定費(例.人件費、地代家賃、水道光熱費、広告宣伝費など)は毎月支払う必要があります。
そのため、できるだけ固定費は抑え、必要な部分に投資できる余力を残しておく必要があります。
事業の規模や内容によっては、ほとんど電話を使わない場合もあれば、電話でのやり取りが必須の場合もあるでしょう。
以下では、色々な電話環境の形態を解説しています。
ツールによっては、固定費の削減に寄与することも可能です。
ご自分の事業内容や仕事の仕方にあったツールを選択していただければと思います。
スマートフォンを活用するメリット
スマートフォンを活用したビジネスに必要な機能
スマートフォンをビジネスに活用するには、以下のような機能が必要となります。
- 音声通話機能:
取引先や社内との音声通話ができることが重要です。また、通話品質が安定していることも求められます。 - メールやチャット機能:
スマートフォンでメールやチャットが利用できるアプリが必要です。ビジネスでは、一般的にメールが主流ですが、緊急性の高い場合にはチャットでやり取りすることもあります。 - スケジュール管理機能:
スケジュールやタスク管理ができるアプリが必要です。スマートフォンには標準でカレンダーやタスク管理アプリが搭載されていますが、ビジネスでは専用のアプリを利用することもあります。 - クラウドストレージ連携機能:
ビジネスでは、データの共有や保管が必要です。スマートフォンでクラウドストレージを利用できるアプリを導入することで、いつでもどこでも必要なデータにアクセスできます。
スマートフォンを選ぶ際のポイント
スマートフォンを選ぶ際には、以下のポイントに注意して選ぶとよいでしょう。
- バッテリー持続時間:
長時間の利用が必要な場合や外出先での利用が多い場合は、バッテリー持続時間が長いスマートフォンを選ぶとよいでしょう。 - ストレージ容量:
ビジネスで利用するアプリやデータ量が多い場合は、ストレージ容量が大きいスマートフォンを選ぶとよいでしょう。 - カメラ性能:
ビジネスで必要とされる写真や動画のクオリティが高い場合は、カメラ性能が高いスマートフォンを選ぶとよいでしょう。 - セキュリティ:
ビジネスで扱う情報が重要である場合は、セキュリティに配慮したスマートフォンを選ぶとよいでしょう。例えば、指紋認証や顔認証などの機能があるスマートフォンが適しています。
以上が、スマートフォンを選ぶ際のポイントです。
スタートアップやフリーランス、個人事業主のように、自分1人~少人数でのビジネスの場合は、まずはスマートフォンに情報を集約する形でも問題ないでしょう。
また、最近では下記のように、スマートフォンでも固定電話番号を利用できるサービスもあります。
自分のビジネスの用途にあったスマートフォンを選ぶことが大切です。
IP電話のメリットとデメリット
IP電話とは何か?
IP電話は、インターネットプロトコル(IP)を使って音声通話を行うシステムです。
分かりやすく言うと、「インターネットを使った通話システム」と言えます。
IP電話のメリットとデメリット
メリット:
- 通話料金が安い
- ビジネス向け機能が豊富
- 留守番電話や転送などが簡単に設定できる
- 複数の通話を同時に行える
- グローバルな番号が利用できる
デメリット:
- インターネット回線の速度によって音声品質が低下する場合がある
- インターネット回線がつながらない場合は通話ができない
- 電力供給が途絶えると使用できない
- 電源を切ると電話が使えなくなる
IP電話を導入する際の注意点
- インターネット回線の速度や品質を確認する
- クラウドPBXを使う場合は、セキュリティ対策に十分注意する
- バックアップ電源を用意する
- 災害時にも通話が可能なように、避難所等への電話対応ができるようにする
メジャーなサービスとしては、NTTコミュニケーションズが提供する「050plus」などがあります。
https://service.ocn.ne.jp/phone/ip/050plus/
クラウドPBXを導入するメリット
クラウドPBXとは何か?
クラウドPBX(Private Branch Exchange)は、従来のオフィス電話交換機と同様の機能を持ちながら、クラウド上で動作する電話交換システムのことです。
従来の電話交換機は、会社の内線電話や外線電話の接続や通話制御を行っていましたが、クラウドPBXはインターネット経由で電話をつなぎ、通話を行います。
クラウドPBXを導入するメリット
- コスト削減:
クラウドPBXは、通常の電話交換機と比較して初期費用や維持費が低く抑えられます。また、通話料金も割安になる場合があります。 - 拠点間接続が容易:
クラウドPBXを導入することで、異なる拠点間での内線電話の通話が容易になります。クラウドPBXにより、拠点間通話をインターネット経由で行うことができます。 - 拡張性が高い:
クラウドPBXは、必要に応じて拡張することができます。従来の電話交換機では、拡張するためには新たに機器を追加する必要がありましたが、クラウドPBXでは、必要な機能を追加することができます。 - 柔軟性が高い:
クラウドPBXは、インターネット経由で通話を行うため、場所やデバイスによらず、内線電話や外線電話の通話が可能です。スマートフォンやタブレットなどからの内線電話も可能です。 - 遠隔地からの利用が可能:
クラウドPBXは、インターネット経由で通話を行うため、遠隔地からでも内線電話の通話が可能です。オフィスにいなくても、自宅や外出先からでも内線電話で通話ができます。
クラウドPBXを導入する際の注意点
- インターネット回線の確保:
クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、回線速度や安定性が重要です。適切な回線を確保し、品質の良い通信環境を整備することが必要です。 - セキュリティ対策の徹底:
クラウドPBXには企業の重要な情報が含まれるため、セキュリティ対策を徹底することが必要です。プロバイダーのセキュリティ対策や自社のセキュリティ対策の強化などを行い、情報漏洩や不正アクセスを防止する必要があります。 - 利用料金に注意する:
クラウドPBXは、従量課金が一般的です。利用料金が高額にならないよう、契約前に必要な機能や利用予定時間を把握し、料金プランを選択する必要があります。また、定額プランがある場合には、契約内容を十分確認する必要があります。
例えば↑のように、クラウドPBXを利用することで色々な機能が使えるようになります。
ビジネス向けフリーダイヤルの導入メリット
ビジネス向けフリーダイヤルとは何か?
- 電話をかけた人が無料で通話できる電話番号のことを指します
- 企業が顧客やビジネスパートナーと円滑なコミュニケーションを取るために、広く利用されています。一般的には0120や0800から始まる番号が使用されます。
- ある程度の事業規模になってきたら検討すると良いでしょう
ビジネス向けフリーダイヤルを導入するメリット
- ビジネス向けフリーダイヤルを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 顧客の利便性向上:
無料で電話をかけられるため、顧客の利便性が向上します。また、地域による通話料の差異がなくなるため、地域限定のビジネスでも利用しやすくなります。 - 顧客満足度の向上:
無料で通話できるため、顧客は企業に対してより好意的な印象を持つことができます。 - 営業効果の向上:
フリーダイヤル番号は、広告やチラシ、Webサイトなどのマーケティングツールで利用されることが多く、これにより、新規顧客の獲得や営業効果の向上が期待できます。 - ビジネスイメージの向上:
フリーダイヤル番号を使用することで、大手企業や信頼できるビジネスとしてのイメージを与えることができます。
- 顧客の利便性向上:
ビジネス向けフリーダイヤルの導入手順
ビジネス向けフリーダイヤルの導入手順は、以下のようになります。
- プロバイダーを選ぶ:
ビジネス向けフリーダイヤルのプロバイダーを選びます。プロバイダーによって料金やサービス内容が異なるため、自社のニーズに合わせて選ぶことが重要です。 - 申し込み:
選んだプロバイダーのウェブサイトから、ビジネス向けフリーダイヤルの申し込みを行います。申し込みには、企業名や代表者名、電話番号、利用予定人数などの情報が必要です。 - 番号の選択:
ビジネス向けフリーダイヤルの番号を選択します。番号によって料金が異なることもありますので、注意が必要です。 - 機能の設定:
ビジネス向けフリーダイヤルには、多彩な機能が用意されています。例えば、音声案内やボイスメールなどです。必要な機能を選択し、設定を行います。 - システムの導入:
プロバイダーから提供されるシステムを導入します。システムの導入には、専門知識が必要な場合がありますので、専門家に依頼することも検討しましょう。 - トライアル期間の確認:
ビジネス向けフリーダイヤルには、トライアル期間が設けられている場合があります。トライアル期間中にサービスが自社に合っているか確認し、必要に応じて契約を継続するかどうかを判断します。
ある程度の事業規模になり、電話で頻繁にやり取りが発生するビジネスモデルの場合、フリーダイヤルは電話対応に必要不可欠なツールの一つです。
プロバイダーやサービス内容を比較し、自社に合ったビジネス向けフリーダイヤルを導入することで、ビジネスの効率化や顧客満足度の向上につながることが期待できます。
まとめ:目的別おススメ電話環境
- スタートアップ/個人事業主:
- 電話環境:スマートフォン
- 使い方:ビジネス用スマートフォンによるスピーディーな対応で、ビジネスチャンスを逃さないことを主目的とする
- 従業員~5人程度:
- 電話環境:IP電話、クラウドPBX
- 使い方:代表電話番号を設定し、複数人数で対応できるようにする
いかがだったでしょうか?
ひとくちに電話環境と言っても、様々な選択肢があります。
自分の事業内容に合った電話環境を検討してみてくださいね。