「接客で得た情報を経営に活かしたい」

「顧客対応で悩んでいる」

「お客様の意見はどう管理はどうしたら良いの?」

接客や顧客対応で得た「お客様の声」は、マーケティング用語でVOC (Voice of Customer) と呼ばれ、経営やサービス改善の貴重な情報源です。

一方で、小さな会社やスタートアップ企業、個人事業主の場合は、VOCの管理体制などは整っていない場合も多いのではないでしょうか。

また、どうやって管理したり、活用したりしたら良いかが分からない、という悩みもあるかと思います。

そこで、この記事では以下の内容について解説します。

小規模事業者の77%が顧客の意見を重視している

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/shokibo/b2_2_1.html

中小企業庁の統計によると、小規模事業者の約77%が「自社の課題や強みについて、顧客の意見を反映している」と回答しています。

VOCを取り入れることで、会社としては以下のメリットがあります。

  • 市場のニーズが分かる
  • サービスの品質、顧客満足度の向上が図れる
  • 売上向上へ繋げられる

自社の商品やサービス、接客などについて、どうしても「提供する側目線」となってしまうことはよくあります。

そこで様々なシーンから見た、不備や改善点を指摘してくれる「お客様の声」は、企業にとって大変貴重な情報です。

一方で、ある統計では「お客様の声」を“十分活用できている”と回答した小規模事業者は13%弱しかいない、という調査結果もあります。

このように、

「”お客様の声”を経営に活かしたい!」
「でもどうやったら良いか分からない…。」

という悩みを持つ企業は多いようです。

しかし、逆に言えば、「お客様の声」を適切に収集・管理・活用できれば、他社に対する大きな差別化要素になる、とも言えます。

本記事では、特に小さな会社やスタートアップ企業、個人事業主といった小規模事業者がVOCを活用するための方法について解説します。

小さな会社で「お客様の声」を活かす3ステップ

①VOCの収集

VOCの収集方法

小規模事業者がVOCを収集するには、主に下記の2つの方法があります。

  • CP(Contact Personel)
  • ソーシャルメディア

以下、それぞれについて解説していきます。

CP(Contact Personel)

CP(コンタクト・パーソネル)とは、顧客と直接接触する社員のことを指します。

  • 飲食業におけるホールスタッフ
  • 企業における営業またはサポートデスクなど
  • 細かいニュアンスや温度感を知ることができる

CPは顧客にとっては企業の顔でもあり、その印象がそのまま企業のイメージに繋がります。顧客と直接やり取りをすることから、「生の声」を収集できることが強みです。

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアは、Twitter・instagram・FacebookなどのSNSを指します。

  • 地理的時間的な制約がなく、お客様からのダイレクトな反応が期待できる
  • しっかり運用するためには、運用ルールの制定などが必要

近年では、「公式」として企業が(ツイッター社からの認証を受けて)企業アカウントを作成して運用するケースも増えています。

広告費や運用費を抑えてVOCの収集ができる方法と言えます。

※その他、ある程度の企業規模であれば、コールセンターを活用したり専用システムを導入したりするなどの方法がありますが、本記事では割愛します(後日、別記事にて触れる予定)

おススメはCPとソーシャルメディアの併用

CPとソーシャルメディアはそれぞれに特徴があります

CPによるVOC収集

得意
  • ピンポイントな情報収集(顧客や来客者など、お客様の属性が分かる)
  • 温度間や細かいニュアンスなどの詳細な情報の入手
不得意
  • 不特定多数からのVOCの
  • 収集量を集めるのが難しい

ソーシャルメディアによるVOC収集

得意
  • 不特定多数からの情報収集
  • 店舗や既存顧客ではアプローチが難しい層への訴求
不得意
  • 詳細な情報の収集
  • 属性を絞ったピンポイントな情報の収集

このように、VOC収集においてCPとソーシャルメディアは補完関係にあると言えます。

両方をバランスよく運用することが、効率よく、質の高いVOCを収集するコツと言えるでしょう。

(長くなってしまったので、前後編に分けます)

次回は、「収集したVOCの分析」と「データの活用」になります!