はじめに
中小企業でも、デジタル化によるビジネス変革、つまりDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が謳われて久しくなってきました。
中小企業の経営者、ご担当者の方でも、「DXを進めたい」と考えられている方も多いかと思います。
一方で、中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2023年)アンケート調査報告書」(2023年10月)によると、中小企業でDXについて「理解している」は12.4%。「ある程度理解している」は36.7%と、DXに関しては半数以上が「よく理解していない状態」なのが現状です。
実際、DXといってもどこから手をつけたら良いか分からない、という企業も多いかと思います。
経済産業省が2024年10月に発表した「DX支援ガイダンス」は、そんな中小企業のDXについて、まさに道しるべとなるような情報が満載です。
本記事では、このガイダンスの目的、概要、そして中小企業の皆様がどのように活用できるのかを詳しく解説していきます。
DX推進の第一歩を踏み出したいとお考えの経営者の方は、ぜひご一読ください。
DX支援ガイダンスとは?
経済産業省が策定した「DX支援ガイダンス」は、デジタル化が進む現代において、中小企業がDXを推進するための支援策をまとめたものです。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-shien.html
特に、人材や情報が不足しがちな中小企業が、支援機関の力を借りながらDXを進めることを目的としています。
どちらかというと、中小企業を支援する「支援機関」向けに書かれてはいますが、DX推進における具体的なステップや、支援機関との連携方法などが示されており、中小企業が抱える様々な課題を解決するためのヒントが得られる内容となっているため、支援を受ける側の中小企業としても参考となるでしょう。
ガイダンスの目的
このガイダンスの主な目的は以下の通りです。
- 中小企業のDX推進を加速化
支援機関との連携を強化することで、中小企業がよりスムーズにDXに取り組めるように支援します。 - 支援機関の役割明確化
DX支援に関わる様々な機関の役割を明確化し、効果的な支援体制を構築します。 - 地域経済の活性化
中小企業のDX推進を通じて、地域経済の活性化に貢献します。
ガイダンスの概要
経済産業省「DX支援ガイダンス」は、中小企業がDXを推進する上での羅針盤となる、非常に詳細な情報が詰まったガイドラインです。
中小企業におけるDXの現状
- 中小企業がDXを推進する上で直面する課題(人材不足、資金不足、情報不足など)を具体的に挙げ、その解決策を提示しています。
- DXの導入事例を交えながら、中小企業がDXに取り組むことのメリットを具体的に示します。
DX推進のステップ
ガイダンスでは、DX推進を以下のステップに分けて解説しています。
- 現状分析
自社の強み、弱み、課題を洗い出し、DX推進の目的を明確にします。 - 戦略策定
目的に基づいた具体的な戦略を立て、ロードマップを作成します。 - 実行
必要なシステムやツールの導入、組織体制の整備、人材育成を行います。 - 評価・改善
定期的に進捗状況を評価し、必要に応じて戦略を修正します。
各ステップにおいて、具体的な事例やツールの紹介を行い、中小企業が実践しやすいように支援することを目的としています。
支援機関の役割と連携
ガイダンスでは、地域金融機関、地域ITベンダー、コンサルタントなど、様々な支援機関が中小企業のDXを支援する役割を担うことを示しています。
一例としては、以下のような内容について解説しています。
- 支援機関の役割
- 各支援機関が提供するサービス(コンサルティング、資金調達支援、ITツール導入支援など)を具体的に説明しています
- 支援機関を選ぶ際のポイントを提示しています
- 支援機関との連携
- 支援機関との連携の重要性を強調し、効果的な連携の仕方を解説しています
- 複数の支援機関と連携する際の注意点も説明しています
DX支援のアプローチ拡大
ガイダンスでは、DX支援の対象を拡大するために、以下の点が重要であると述べています。
- 中小企業の意識改革
DXの重要性を経営者や従業員に理解してもらうことが重要です。 - 地域の連携強化
地域の様々な関係機関が連携し、一体となって中小企業のDXを支援する体制を構築することが重要です。 - 人材育成
DXを推進できる人材を育成することが重要です。
などなど、中小企業のIT化/DXに関する現状や、それに対する対応策、および継続的にITを活用していくために、どのような人材が必要か、など、網羅的に解説しているといえるでしょう。
中小企業がガイダンスを活用する方法
では、中小企業はこのガイダンスを、どのように活用すれば良いのでしょうか。
ガイダンスでは、DX実施のステップとして下記が紹介されています。
- 現状分析
まずは自社の現状を分析し、DX推進における課題を明確にすることが重要です。 - 支援機関との連携
ガイダンスで紹介されている支援機関に相談し、自分に合った支援プログラムを選ぶことが大切です。 - 具体的な行動計画
ガイダンスを参考に、自社のDX推進のための具体的な行動計画を策定しましょう。 - 従業員の意識改革
DX推進には、従業員の意識改革も不可欠です。 - 継続的な改善
DXは一度終われば完了するものではなく、継続的な改善が求められます。
支援を受ける側の中小企業としては、一連の流れを把握したうえで、「自分たちでできること」「支援機関にサポートしてもらうこと」を切り分けつつ、DXを主体的に進めていくことが必要となってきます。
基本は「支援機関との二人三脚」
社内にしっかりとした情報システム部門を抱えるような大企業と比べ、中小企業は人的リソースやナレッジの面で、自社で完全にイチからDXを進めるのは大変です。
中小企業のDX推進については、外部の専門化との協業が必要不可欠となります。
地域のITベンダーやコンサルタント、商工会議所や士業など、様々な支援機関と二人三脚ですすめていくことで、会社の変革の成功率はグッと上がるでしょう。
準備作業としての「現状分析」
では、まずは中小企業が自身でできることは何か?というと、上記ステップの最初「現状分析」です。
ここは基本的にどのような支援を受けるしても、共通で必要になってくる部分と言えるでしょう。
支援機関に相談するにしても、自社の強みや弱み、どんなことに課題を感じているかをあらかじめ準備しておけば、その後の支援内容にもスムーズに進むことができます。
※この時点では、完璧・精緻に分析をしようとはせず、社長や現場で感じている強み/弱みや課題を表現できるようになっていればOKです。
このあたりは、事業計画書を書く際のファーストステップと同様なので、現状分析のやり方については以下もご参照ください。
あとは支援機関と二人三脚で、具体的な行動計画を立てていくなどの後続ステップに続いていきます。
まとめ
経済産業省の「DX支援ガイダンス」は、中小企業がDXを推進するためのひとつの羅針盤となることが期待されます。
このガイダンスを参考に、自社の状況に合わせてDXを進めていくことで、新たなビジネスチャンスを創出することができるでしょう。
本記事が、DXに取り組む中小企業のお役に立てれば幸いです。