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前回に引き続き、中小企業のVOC戦略について触れていきます。
本記事では、収集したVOCを分析し活用する方法について解説します。
VOC分析とは
VOC分析とは、顧客やユーザーから収集した「お客様の声」を分析し、商品やサービスの改善に活かす手法です。顧客や市場のニーズを把握し、それに応えることで商品やサービスの価値向上に繋げていきます。
VOC分析において重要なことは「4つのA」と言われています。
単に表面的な顧客の不満を解消する、ということが目的ではなく、収集した顕在ニーズ・潜在ニーズを分析し、全社的なVOC活用を目指すことが重要です。
例えば、会社組織を切り口として場合、下記のような活用が考えられます。
- 経営:事業課題の把握、事業ドメインの設定、売上・利益の向上
- マーケティング/商品開発:自社の商品やサービスの改善、プロモーションなどへの活用
- 営業:営業方法の改善、適切なターゲット層の設定
VOC分析の手法
収集したVOCの分析については、無料/有料含めさまざまな専用サービスがあります。
これらについてはまた別記事に譲るとして、小さな会社のVOC分析のはじめの一歩としては、Excelで十分です。
例えば飲食店であれば、VOCのカテゴリとしては「クレーム」「要望」「意見」「お褒めの言葉」などになるかもしれません。
収集したデータを整理し分析しやすくすることがポイントです。
VOCを経営、サービスに活用する
さて、これで準備は整いました。次はいよいよ、収集・整理したデータを分析し、その中から改善に役立つ傾向を見つけましょう。
VOC分析例
前述の飲食店の例で言うと、集計したデータの中で「クレーム」カテゴリに属するVOCが多く、内容としては「接客が悪い」という声の割合が多ければ、そこは自社の弱味であり、改善ポイントであると言えます。
あるいは逆に、「意見」カテゴリで「日替わりメニューがあって飽きずに通えます」という声が多かったとします。
するとそれこそが顧客(市場)のニーズであり、「日替わりメニューをもっとアピールするためのPOPを作る」「日替わりメニューの種類を増やす」といった施策を打つことができます。
社内での共有も大切
また整理したVOCについては、積極的に社内で共有することが望ましいと言えます。
クレームであれば、再発防止のための社員教育に活用する。
意見であれば、共有の上で社員に改善策を考えてもらうのも良いでしょう。
また、施策であれば、理由の説明が重要です。上意下達で「こういう施策をします」ではなく、「お客様からこういう声があったので、こういう施策をします」の方が、社員としても納得感を得ることができるはずです。
このように、必ずしも大量のVOCを集める必要はありません。
集めたVOCを適切に管理、分析し、商品やサービスに反映させる。
また、それを1回で終わらせるのではなく、継続して行ってPDCAサイクルを回していく事が大切です。
VOC情報は会社にとって、顧客満足度向上・企業価値向上・売上アップに繋がる可能性のある、まさに「宝の山」です。
是非VOCを自社の商品やサービスに活かし、「ウチは顧客の声を重視し、有効に活用しています!」と言えることを目指しましょう!