マルシェとは?
もともとはフランス語で「市場」を意味する言葉です。 地域の農産物や手作り品などの生活雑貨を、個人単位のお店が集まって販売しているのが、一般的なマルシェの形態です。
日本のマルシェは、さまざまな場所で開催されています。
たとえば、商店街や公園の広場などで開催されるマルシェでは、週末や特定の日には多くの来場者が訪れています。
公園の広場ではフリーマーケットや食品イベント、アート&クラフトフェアなど、イベント会場としてマルシェが開催されています。
本記事では、特にマルシェ開催に必要な手続きについて解説していきます。
マルシェと地域活性化
マルシェは地域の活性化に非常に有効です。
マルシェの開催は、以下のような効果が見込めます。
- 地域の繋がりの強化
- 来場者の増加による経済効果
- 地域の知名度の向上
一方で、運営体制がしっかりしていないと逆効果になるというリスクもあります。
例えば、会場がゴミだらけであったり、運営のトラブルでイベントが開催されなかったり、事故が起きたりしたら、来場者にマイナスのイメージを与えてしまいかねません。
出展者任せにせず、運営側がしっかり管理する必要があります。
具体的な手続きの流れ
マルシェ開催にあたり、具体的な手続きとしては下記が必要になります。
- 開催したい場所の選定
- 道路使用許可申請
- その他の許可申請
- 「主催者保険」の加入を検討しよう
- その他の事前準備
それぞれについて、詳しく解説していきます。
開催したい場所の選定
マルシェの開催場所としてよくあるのは以下のような場所です。
- 地域の公園
- 寺社仏閣の境内
- 商業施設の敷地内
- 駅前などの広場
本記事では、横浜市内の公園での開催を例に解説していきます。
公園の使用許可申請
公園でイベントを行うためには、公園の使用許可申請が必要です。
以下の内容について、各土木事務所長あて、または横浜市長あてに申請します。
- 申請先
マルシェを開催したい公園について、土木事務所が所管する公園については各土木事務所長あて、その他の場合(公園緑地事務所等)は横浜市長あてに使用許可申請をします。 - 必要な書類
使用許可申請書、イベント内容の詳細、保険加入証明書など(下記リンク参照)。 - 審査基準
公園の利用目的、開催日時、参加者数、安全対策など、総合的に審査されます。 - 注意事項
公園によっては、使用が禁止されている日や時間帯、利用できる場所などが定められている場合があります。
公園条例 申請書様式のダウンロード 横浜市 (yokohama.lg.jp)
その他の許可申請
- 食品衛生許可
食品を販売する場合、食品衛生法に基づく許可が必要です。
マルシェの場合、出展者を集めて開催するのが一般的ですが、その場合は出展者にて食品衛生許可を取得する必要があります。
運営者が取得する必要はありませんが、出展者が販売する商品を把握し、食品衛生許可が必要なものはキチンと許可を得ているかを確認する必要があります。
食中毒などが発生すると、その後のマルシェの開催の死活問題です。
事前確認および当日の衛生管理にもしっかりと目を光らせる必要があります。 - 道路使用許可
道路の一部を使用して出店する場合などは、道路法に基づく許可が必要です。使用料が必要となるので、詳細は下記を参照してください。
道路使用の手続/神奈川県警察 (pref.kanagawa.jp) - ごみ収集許可
マルシェ(イベント)で出たゴミについては、ごみの収集・処分に関する許可が必要です。
横浜市では出店の形態等の状況によって取り扱いが異なるため、祭りが行われる区の資源循環局事務所へ相談が必要となります。
祭りで出たごみは収集してもらえるか 横浜市 (yokohama.lg.jp)
「主催者保険」の加入を検討しよう
マルシェを主催する中で、主催者には参加者や入場者に対する安全配慮義務があります。
万が一、来場者がケガをしたり器物の破損があったりした場合など、内容によっては主催者が責任を問われることがあります。
そのような場合に備えて、主催者保険というサービスを提供している保険会社もあります。
万が一のトラブルに備えて、加入を検討してみるのも良いでしょう。
例)イベント賠償責任保険(主催者のための賠償保険) (goodhoken.co.jp)
その他の事前準備
本記事では割愛しますが、手続き以外では下記のような準備が必要となります。
※下記のそれぞれの項目については、別途記事にしたいと思います。
- 参加者の募集
出店者を募集し、参加規約を作成します。前述の食品衛生許可など、出店に必要な要件を満たしているか、チェックシート作成しチェックしましょう。 - イベントの周知
SNSやチラシなどで、マルシェ開催の情報を発信します。
マルシェが盛況に開催されるかそうでないかの一番のポイントです。 - 当日の運営計画
駐車場の確保、トイレの設置、ゴミの分別など、当日の運営計画を立てます。
特にトラブル対応については、事前に起こりうるトラブルを想定し、対応のシミュレーションと対策を立てておきます。 - 近隣住民への配慮
マルシェ開催に伴う騒音やごみ問題など、近隣住民への配慮が必要です。
近隣住民からの苦情があったりすると、次回以降の開催が危うくなるかもしれません。
場合によっては事前説明をしたり、当日大きな音を出さないように参加規約に加えたりなど工夫を検討しましょう。
マルシェ開催の注意点
- 抜け漏れのないスケジュール作成が成功のカギ
マルシェ開催にあたり、どれだけToDoを抜けもれなく洗い出し、スケジュールに落とし込むかが成功のカギとなります。特に手続きには意外と時間がかかるため、余裕を持って申請を開始しましょう。 - 地域との連携が必須
本記事冒頭で記載のとおり、マルシェは地域活性化に有効ですが、効果の発揮のためには継続的に開催することが必要です。
そのためには、地域住民との連携を深め、マルシェを地域に根ざしたイベントにする必要があります。
来場者ばかりに目を向けるのではなく、地域住民にもメリットを訴求し、協力してもらうことが必要です。
おわりに
運営がしっかりしているマルシェは、地域に根ざして何年も続いて開催されているものもあります。
一時的な経済効果や観光客増加にとどまらず、継続したイベントとするためには、手続きや運営をしっかりと行い、トラブルを未然に防ぐ体制が必要となります。
本記事が、マルシェ開催による地域活性化のお役に立てれば幸いです。