起業したいけれども、一体どんな事業で始めればいいのか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
特に、自分の経験やスキルを活かしたいと考えている人は、今の仕事を活かした起業分野を見つけたいと考えるはずです。
例えば、現在営業の仕事をしており、「営業力には自信があるけれども、事業として行うにはどうしたら良いのか…」、など、「スキルややりたいことはある」「でも”売り方”が分からない」というパターンです。
この記事では、そんなあなたに向けて、「現在の業種・職種」を活かした起業分野の見つけ方を、
- 「業務を広げる」
- 「顧客層を変える」
- 「すき間を見つける」
- 「業務を絞る」
という4つの手法を用いて具体的に解説していきます。
業務を広げる:既存の業務に付加価値をつける
現在の仕事で培ったスキルやノウハウを活かしつつ、新たなサービスや商品を提供することで、事業を拡大する方法です。
例えば、
- ITエンジニアの場合
自身のプログラミングスキルを活かして、Webサイト制作やアプリ開発の受託を行う。
例)構築・開発だけではなく、経営課題の解決に向けた提案を行う - 営業職の場合
既存の顧客に特化したコンサルティングサービスを提供する。
例)他社と連携し、ワンストップでサービスを提供する - デザイナーの場合
デザインスキルを活かして、ロゴデザインやブランディングのサービスを提供する。
例)ロゴ、パンフレット、HPなどをトータルに提案する
など、自分の得意分野を深掘りし、付加価値の高いサービスを提供することで、競合との差別化を図ることができます。
顧客層を変える:ターゲット顧客を見直す
既存の顧客層とは異なる層にアプローチすることで、新たなビジネスチャンスを生み出すことができる可能性があります。
例えば、
- BtoB企業の場合
BtoCに転換し、一般消費者向けに商品やサービスを提供する。
例)個人向けサブスクサービス、配送サービスなど - 大人向け商品の場合
子供向け商品に転換し、新たな市場を開拓する。
例)グラフィックデザイナー 印刷物デザインの経験を活かし、「デザイン思考」を教える子供向けのITスクールで起業 - 国内向けサービス
海外向けサービスに転換し、グローバルな展開を目指す。
例)伝統工芸品の海外向け販売、リメイク着物の訪日観光客向け販売
など、ターゲット顧客を変えることで、新たな市場を開拓し、事業を拡大することができるかもしれません。
すき間を見つける:未開拓の市場に目を向ける
既存の市場には、まだ誰もが気づいていない「すき間」が存在することがあります。このすき間を見つけることで、新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。
例えば、
- 特定の地域
特定の地域に特化したサービスを提供する。
例)離島への移住アドバイザーなど - 特定の趣味
特定の趣味を持つ人向けの商品やサービスを提供する。
例)園芸趣味の中でも、「苔」に着目して苔テラリウムの販売・教室などを展開 - 特定の年齢層
特定の年齢層に特化した商品やサービスを提供する。
例)シニア層向けスポーツジム、子ども向け金融教育サービスなど
など、ニッチな市場に目を向けることで、競合が少ないため、比較的容易に事業を展開できる可能性があります。
特にこれから起業しようとする場合、多くの場合は業界にはすでにリーダーとなる企業がいて、市場シェアや企業規模的に太刀打ちができない場合がほとんどです。
しかし、逆にそのような企業だからこそ手が回らない部分。
市場が小さかったり、採算が取れないと判断された領域に、ビジネスチャンスを見出すのが後発組の有効な戦い方となります。
業務を絞る:コアコンピタンスに集中する
現在の業務の中から、最も得意とする部分に特化することで、競合との差別化を図ることができます。
例えば、
- コンサルティング会社
特定の業界に特化したコンサルティングサービスを提供する。
例)美容院特化コンサル、幼稚園の経営特化コンサルなど - Web制作会社
特定のCMSに特化したWebサイト制作サービスを提供する。
例)Wordpressの構築、運用に特化したサービス - デザイン会社
特定のデザイン分野に特化したデザインサービスを提供する。
例)和柄のデザイン、着物のデザイン、など
など、業務を絞ることで、専門性を高め、顧客からの信頼を獲得することができます。
最初はコアコンピタンスに尖って顧客開拓や市場浸透を進め、事業規模が拡大するにしたがって周辺業務に領域を広げていく、という方法もあります。
起業分野を決める上でのポイント
起業分野を決める上では、以下の点に注意しましょう。
- 自分の興味関心
自分が本当にやりたいこと、興味のあることを事業にすることが大切です。
事業を進めると、様々なピンチや、挫けそうになる場面も出てきます。 そんな時に、それでも折れずに事業を進められるかどうかは、最後は起業家の志や覚悟にかかってきます。 - 市場性
自分のアイデアが市場で求められているのか、しっかりと市場調査を行うことが重要です。
あまりにニッチで市場が小さかったり、実は自分が「売れる!」と思っているだけで、市場にはニーズがなかった、という事態にならないように注意が必要です。 - 競合状況
競合他社がどのようなサービスを提供しているのか、競合分析を行うことが重要です。
革新的なサービスで起業しようとしても、実は自分が知らないだけで、同じようなサービスを提供していてすでに市場シェアを持っている企業もあるかもしれません。 - 資金調達
事業を始めるためには、資金が必要になります。
良いサービス・商品があったとしても、最初は思うように売れないかもしれません。
起業後3か月で資金が尽きてしまうような資金状況では、せっかくのサービスが世に出る前に廃業、などという事態になってしまうかもしれません。 資金繰りや資金調達方法についても、しっかり検討しておきましょう。
市場調査や競合分析については、以下の記事にて詳しく解説しているので、ご参照ください。
まとめ
イチから起業アイディアを出すのは大変ですが、上述の4つの着眼点をもとに考えると、効率的にアイディアを出すことができます。
是非一度、紙などに書き出してワークとして考えてみることをおススメします。
本記事が、あなたのビジネスのお役に立てれば幸いです。