資金繰りとは?

資金繰りとは、事業活動に必要な資金を安定的に確保し、企業の存続と成長を支えるための活動です。

簡単に言えば、お金の流れを管理することです。

資金繰り管理が適切に行われないと、資金不足によって事業が立ちゆかなくなる可能性があります。

特に、起業初期は、売上と支出のバランスが取りづらく、資金繰りが悪化しやすい傾向にあります。

資金繰りは社長のメイン業務

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

黒字倒産とは、売上は上がっている(=会社の帳簿上の収支計算が黒字である)にもかかわらず、手元にある資金(キャッシュ)不足によって支払が不能になり、倒産してしまうことを指します。

例えば資金が100万円で、200万円の商品が売れたけれども、支払の入金が2か月後。

しかし、その前の150万円の仕入れの支払いが1か月後、というようなパターンです。

この場合、2か月後には200万円が入ってくるにも関わらず、1か月後の150万円が支払えないため、倒産してしまうことになります。

資金繰りとは、この収支のタイミングを把握し、コントロールすることです。

いくら良いサービスや商品を開発提供しようとも、資金繰りが適正にできていなければ事業は成り立ちません。

そのため、事業の継続=資金繰りのコントロール、と言っても良いぐらい、資金繰りは社長のメインの仕事のひとつなのです。

資金繰り表を作成しよう

資金繰り表は、今後の資金の入出金を予測し、資金の不足や余剰を把握するための表です。

資金繰り表を作成することで、いつ資金が不足するのか、どのくらいの資金が必要なのかを事前に把握することができます。

例えば下記のような形で、少なくとも月単位で向こう3年分の収支をシミュレーションできるようにします。

Webから色々なテンプレートが無償でダウンロードできますので、自分にあったテンプレートを探したり、自分で作ってみてください。

※上記のサンプルは日本政策金融公庫からダウンロードできます。https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_chusho.html

資金調達方法

起業初期の資金調達方法としては、自己資金、銀行融資、創業融資などが考えられます。

  • 自己資金
    貯蓄や親族からの借入など、自己の資金を活用する方法です。
  • 銀行融資
    銀行から借入をする方法です。事業計画書の作成が求められます。
  • 創業融資
    国や地方自治体が実施する、創業を支援するための融資制度(返済義務あり)です。
  • 補助金
    国や地方自治体が実施する、各種事業を支援するための制度(返済義務なし)です。

事業計画書については、下記をご参照ください。

https://tri-support.com/archives/category/company/strategy

また、補助金については下記もご参照ください。

https://tri-support.com/archives/category/company/subsidy

資金繰りの改善策

資金繰りが悪化した場合、もっとも基本的な対策としては、
「入ってくるお金を増やす(=売上を向上させる)」か、
「出ていくお金を減らす(=コストを削減する)」ことです。

また、それ以外にも、資金回収の効率化借入金の最適化などの対策が考えられます。

  • 売上向上策
    新規顧客の開拓、既存顧客へのリピート購入の促進、商品・サービスの拡充などで、売上(収入)の向上を図る
  • コスト削減策
    人件費の削減、仕入れ先の変更、固定費の見直しなど
  • 資金回収の効率化
    売掛金の早期回収、支払条件の見直しなど
  • 借入金の最適化
    借入先を一本化する、返済額を減らすなど、借入金の最適化を図ります

資金繰り管理のポイント

資金繰り管理は、事業の成功を左右する重要な要素です。

そのためには、売上だけではなく、費用と収支のタイミングも把握し、こまめに資金繰りの状況を把握することが肝心です。

  • 資金繰り表の作成と定期的な見直し
    資金繰り表を定期的に作成し、実際の資金状況と比較することで、問題点を早期に発見し、対策を講じることができます。
  • 資金繰りのシミュレーション
    順調な売上ベースで考えるのではなく、外部要因や競合の影響など様々なケースを想定したシミュレーションを行うことで、リスクを事前に把握し、対策を講じることができます。
  • 資金調達の準備
    資金が必要になったときに慌てないよう、事前に資金調達の準備を進めておくことが大切です。
  • 専門家への相談
    資金繰りに関する専門家(税理士、会計士など)に相談することで、より適切なアドバイスを受けることができます。

まとめ

本記事は、資金繰りの「キホンのキ」の内容となります。

より深い内容は、専門書籍を参考にしたり、税理士や会計士などの専門家に相談してみると良いでしょう。

繰り返しとなりますが、個人事業主や会社の社長にとって、資金繰りは最重要業務のひとつです。

本記事が、資金繰りに興味を持つきっかけとなれば幸いです。